日帰り手術の特徴
日帰り手術の特徴

日帰り手術とは、手術当日に来院し、術後の経過を確認したうえで、その日のうちに帰宅する治療です。短時間の処置だけを指すものではなく、全身麻酔を用いる手術も含まれます。
ただし、日帰りで行えるかどうかは、病気の状態、手術内容、持病、年齢、帰宅後の生活環境などを踏まえて判断します。日帰り手術がすべての方に適しているわけではありません。
欧米の一部では、低侵襲手術や麻酔、術後管理の進歩を背景に、日帰り手術が早くから普及してきました。一方、日本では入院手術が中心で、同じ術式でも日帰りで行われる割合は低い状況が続いていました。
鼠径ヘルニアの日帰り手術は、日本の2007年頃の報告では0.7%でした。その後、日帰り手術を行う医療機関は増え、2022年のNCD(National Clinical Database)では5.1%でした。調査対象と集計方法が異なるため単純比較はできませんが、この10〜15年で国内でも選択肢として広がっていることがわかります。
入院期間がないため、仕事や家事、育児、介護などの予定を調整しやすくなります。
慣れた環境で休めることは、入院による心理的な負担の軽減につながります。
差額ベッド代、入院中の食事代、リネン・日用品などの負担を抑えられます。手術そのものの自己負担額は、術式や保険、高額療養費制度の適用状況によって異なります。
病棟での宿泊がないため、入院生活による身体活動の低下や、院内で他者と接触する機会を減らせます。
術後の状態に合わせて、自宅で少しずつ普段の生活に戻れます。復帰時期には個人差があります。
服薬、創部の確認、食事や活動量の調整などを、ご本人やご家族が行います。
症状に備えて薬を使用し、受診が必要なサインと連絡方法を事前に確認します。
全身麻酔を受けた当日は、ご自身で車や自転車を運転できません。帰宅時は付き添いの方がいると安心です。手術内容や生活環境によっては、帰宅後もご家族などの見守りが必要です。
出血、強い痛み、吐き気、覚醒の遅れなどがある場合は、当日帰宅を見合わせることがあります。
病気の重症度や持病、術後の支援体制などにより、入院設備のある医療機関での治療が適する場合があります。
日帰り=簡単な手術、ではありません
安全に日帰り手術を行うには、適切な患者選択、術前評価、手術・麻酔の技術、術後観察、帰宅基準、緊急時の対応体制までを一つの診療として整える必要があります。
日帰り手術では、手術の技術だけでなく、術前から帰宅後までの体制が重要です。当院では、診察と検査で日帰り手術が適しているかを確認し、手術当日は痛み、吐き気、出血、歩行、飲水などを確認してから帰宅を判断します。
日帰りが適さないと判断した場合は、入院設備のある医療機関での治療をご案内します。また、日帰り手術後に回復が不十分な場合は、安全を優先して連携施設への入院が必要になる可能性があります。
腹壁の弱い部分から組織が出る病気に対する修復術
症状や進行度に応じた手術治療
適応を確認したうえで行う腹腔鏡下胆嚢摘出術
状態が安定した症例などを対象とする腹腔鏡下虫垂切除術
同じ病名でも、炎症の程度、合併症、既往歴などによって治療方針は異なります。まずは診察でご相談ください。
迷っている段階でもご相談ください
日帰り手術を希望していても、その場で手術を決める必要はありません。病状と選択肢を確認し、入院手術との違いも含めて検討できます。
参考文献
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